第5話「初めて起業家と出会い、起業家を目指す。」

途中からの方は、はじめからどうぞ♪
⇒ プロローグ「事務所はスタバ、社員は妻、職業はオーナー」

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初めて出会った『社長』という存在。
大食いアピールで近づく事に成功。

 

『Y』社長には
本当に可愛がってもらった。

 

Y「おう!アラシ!

 ちょっと車、
 移動させといてくれよ!」

 

ア「え、わかりました。。
 大丈夫ですかね。」

 

Y「ぶつけんなよ!」

 

アラシは初めてベンツを運転した。

 

ハンドルを握る手も
アクセルを踏む足も

ガタガタ震えていた。

 

Y「おう!アラシ!
  お前、ゴルフ出来るか?
  今度、店の女の子達と行くから
  お前も来いよ!」

 

ア「え!いいんですか!
  でも、ゴルフクラブ持ってないです。」

 

Y「俺の古いのがあるから、
  それ、やるよ!」

 

ア「いいんですか!
  有難うございます!」

 

相変わらず、太っ腹。

 

「これが、社長か。。。」

 

こんな感じで、
アラシはプライベートでも
『Y』社長に可愛がってもらっていた。

 

お金持ちの世界を
お金持ちの振る舞いを

身近で見る事ができた。

 

漠然と理想を持っていただけの
「お金持ち」だったが、

より具体的に
イメージが出来るようになっていた。

 

しかしそんなある日。

 

アラシがいつものように
出勤して働いていた時。

 

ア「いらっしゃいませー!」

 

一人の若い男が、
す~っとカウンターの席に座ってきた。

 

お客さんが一人で来店するのは、
別に珍しくない。

 

慣れた風な感じがしたので、
おそらく常連だろう。

 

アラシはいつものように

おしぼりを渡し、
アイスボックスとグラスを
セッティングしようとした。

 

すると、

「あ、用意しなくていいから。」

と、店長に止められた。

 

ア『え?なんでだろう。
この人、誰だろう。。。』

 

その後、
その男には女の子はつかず、
お酒も飲まず、

店長と何やら真剣な表情で、
ずっとしゃべっていた。

 

しばらくして、その男が帰る。

 

ア「ありがとうございましたー!」

 

一体、何者だったのだろうか。。。

 

ア「店長、今の方、
どなたですか?」

 

店長「ああ、あの人が
ウチのオーナー。」

 

『オーナー』。。。

 

当時はピンと来なかった。

 

その後も、そのオーナーは、

今回のように、
打合せに来る時もあるし、

知人を連れて、
お客さんとして来る時もあった。

 

オーナーが来店すると、

アラシはいつものように、
さりげなく、
『お金持ちチェック』をする。

 

その日は夏で、半袖だったので、
腕時計がハッキリ見えた。

 

ア『えっと、、、
これはなんの時計だ??』

 

高級時計は
ロレックスとオメガくらいしか
知らないアラシ。

 

その日、
オーナーが付けていた時計は
フランク・ミュラーだった。

 

しかも
来るたびに腕時計が違う。

 

冬になると、
お客様のコートやスーツを預かる。

 

オーナーのスーツは、、、

ア『ジー、、、

アイ、、、

オー、、、

アール、、、

アイ、、、

オー、、、

ジオルジオ?』

 

GIORGIO ARMANIだった。

 

ブランドの事はよくわからないが、

とりあえず、
「お金持ち」だという事は、
よくわかった。

 

しかもオーラが違う。

あきらかに、
只者じゃない雰囲気。

 

初めて出会ったのは、
アラシが19歳の時。

当時オーナーは
まだ27歳だった。

 

オーナーの名は、『K』。

 

この時、初めて知る。

『社長』にも
種類がある事を。

 

中学時代に出会った
お金持ちは

『お金持ちの息子』。

 

当時の彼らは
お金を持っているが、

実際に自分で
稼いでいるわけではない。

 

キャバクラのお客さんとして
出会った『Y』社長。

 

彼も実はジュニア。

 

代々受け継がれた
電気会社の社長。

 

ただ、ジュニアであっても
自らが社長となり、経営し、稼いでいた。

 

年齢は40代だったであろう。

 

そして、『K』。

 

彼は『社長』の中でも
ゼロからビジネスを立ち上げる

『起業家』だったのだ。

 

『K』は幼い頃に
両親が離婚をして、
母子家庭で育ってきた。

 

お金持ちではない。

というか貧乏だ。

 

それがいまや、
キャバクラを1店舗経営し、
経営コンサルタント会社、派遣会社、等々、

複数の会社を所有している、ビジネスオーナー。

 

腕には高級時計、
車はベンツを数台。

来ている服も
ブランドはわからないが
わかりやすい高級感。

 

オーラがある。

ギラギラしている。

 

まさに成り上がり。

 

そう、これが

『起業家』

という人種だった。

 

アラシは衝撃を受けた。

 

小学校の時、
なんとなく思い描いていた

『お金持ち』。

 

家がお金持ちではない事から
生まれたコンプレックス。

 

進学校で、
お金持ちの息子達を目の当たりにして
感じていた疎外感。

 

そんな環境を、
すべて己の力だけで
なぎ倒していくような存在感。

 

それが、

『起業家』だったのだ。

 

この時アラシは、
初めて出会ったのだ。

『起業家』という存在に。

 

そしてアラシは、
その後、『K』社長にも可愛がってもらった。

 

『K』社長の豪快な
私生活も見せてもらい、

いつしか憧れの
存在へと変わっていたのだ。

 

純粋に大人を尊敬し憧れるというのは、

初めてだったかもしれない。

 

そして時間が過ぎて行く。。。

 

今までと同じように
将来の選択を迫られるようになる。

 

今回は、大学進学の時とは違う。

 

『職業を決める』

という

『最終選択』だ。

 

やはり、
まだ決めたくない。

逃げたい。

 

アラシは
サッカーとバイトに打ち込む。

考えたくないから。

 

しかし、アラシにとって、
最大の転機が訪れる。

 

それはまさに、
『運命』だった。

ある事件が起きたのだ。

 

それは・・・

 

奥菜恵の結婚だ(笑)

 

アラシは、
奥菜恵の大ファンだった。

 

アラシは高校時代、

広末涼子

深田恭子

加藤あい

田中麗奈

 

彼女たちを

『アイドル四天王』

と名づけていた。

 

しかしその上を行く

『絶対的女王』

という位置に
奥菜恵を置いていたのだ。

 

そう、別格だったのだ。

 

それくらい好きだった。

 

そんな奥菜恵が結婚したのだ。

 

問題はその相手。

 

テレビのニュースの
テロップにこう流れた。

 

「奥菜恵結婚。
 お相手は
 IT企業社長・藤田晋(31)」

 

今となっては誰でも知っている
天下のサイバーエージェント社長だ。

 

しかし当時のアラシには、

 

「??」

 

「は??」

 

「誰だコイツ?」

 

「31歳??」

 

「IT社長?」

 

「どこの馬の骨かもわからんような奴が、
 奥菜恵と結婚しただと・・・?」

 

「社長?
 まだ31歳?
 てかIT企業ってなんやねん?」

 

アラシは、
関西の大学に通ってはいたが、
関西弁は移らなかった。

 

そんなアラシが、
この時ばかりは
関西弁でツッコミを入れたのだ。

 

それくらいの衝撃。

 

今でこそ若手IT起業家は多いが、
その時代は斬新だった。

 

このあたりからだ。

ライブドア堀江社長
楽天三木谷社長
ソフトバンク孫社長

などなど。

 

IT企業社長が
メディアに出てくるようになっていた。

 

アラシは
この大事件(?)をきっかけに

ある決断をした。

 

「よし!
俺も社長になる!!」

 

小学校5年生から
将来に悩み続けたアラシ。

 

それなのに、
こうも簡単に
将来を決断する事ができたのだ。

 

この頃の時代は、
いろいろな事が起きていた。

 

元ライブドア社長の堀江社長が
近鉄球団買収に名乗りを上げ

『M&A(企業買収)』

という経営手法が
メディアに多く
取り上げられるようになっていた。

 

アラシはこの時、
大学4年生。

 

就職をしたくない
(考えたくない)という理由で、

就職活動はせず、
大学院進学を考えていた。

 

さらには、
キャバクラのオーナーだった
『K』社長も堀江社長と同じ世代。

 

『K』社長もまた、
投資ビジネス能力に長けている方で、

キャバクラ経営から発展し、
経営コンサル、
投資等で事業を拡大していた。

 

こうしてアラシは、
漠然と

「社長になりたい」

という夢を描き、

 

そして、
すぐさま行動をする
きっかけとなる事が起きた。

 

いつものように
『K』社長と話している時、

こう言われたのだ。

 

K「アラシさぁ、
  大学卒業したら何するの?」

 

ア「一応、、、
  大学院に進学するつもりです」

 

K「大学院進学して何するの?」

 

ア「まあ、あの、、、
  土の研究とか、セメントの研究とか、、、」

 

K「へぇ~、、、
  要はあんま決まってないんだろ?」

 

ア「《ギクっ》まぁ、そうっすね。。。」

 

K「だったら俺の会社入れよ。
  今後は東京に事務所作って
  拠点にしていくから。」

 

ア「はいっ!行きます!」

 

まさに運命だった。

 

色々なタイミングが
合致した時だった。

 

『K』社長の会社は、
経営コンサルという主軸の事業から、

JV(共同事業)や
M&A(企業買収)をしながら
どんどん会社を拡大していっていた。

 

その中で、
社長の一番近くで
経営をリアルに学び、

将来的には起業することだって
できるという環境だったのだ。

 

突然の事だったが、

アラシが実は最も望んでいた事。

ただ行動するきっかけが無かっただけ。

 

思いもよらぬ、
憧れの人からのお誘い。

 

アラシは翌年、大学卒業後、
上京する事を決意した。

 

アツくなるものが
サッカーしか無かった生活から、

ビジネスに打ち込むという
生活に変わる事となる。

 

アラシにとって、
新しいステージの幕開けだった。

 

第5話 完

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「お金持ちになりたい」

というぼんやりとした理想があっても、

色々なお金持ちがいる事を
まずは知るべきでしょう。

そして、自分に合う目標、
自分が憧れる目標になりうる人を
見つける事が先決だと思います。

そして最終的には、
自分が行動しなければいけないのですが、

その決断をする時というのは、

第三者からの
後押しがある時かもしれません。

⇒ 第6話「西新宿で始発から終電まで、起業家を目指して猛勉強」へ続く

2015年8月5日 第5話「初めて起業家と出会い、起業家を目指す。」 はコメントを受け付けていません。 自分物語