第2話「数々の猛者との出会い。勝てる土俵を探す」

途中からの方は、はじめからどうぞ♪
⇒ プロローグ「事務所はスタバ、社員は妻、職業はオーナー」

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ど田舎から生まれた突然変異の神童。
ついに花の都・名古屋に上陸。

 

新しい春。

アラシは県下No.1の
私立中学に進学した。

 

そこでアラシは初めて、

『格差社会』

というものを目の当たりにする。

 

アラシの実家は
名古屋の隣のド田舎。

 

しかし、この中学に通う子達は、
基本、都会のおぼっちゃまだ。

 

医者の息子。

弁護士の息子。

一族経営の御曹司。

などなど。

 

そんな中、
両親は地方公務員で、
共働きかつ兼業農家。

の息子、アラシがポツンと座る。

 

アラシは目一杯強がる。

 

「フンっ!
親の金で生きてるジュニアどもが!
俺は地方公務員から
突然変異で生まれた神童だぞ!」

 

もちろん決して口には出さす。

目一杯、心の中で。

 

小学校の卒業文集で、

「お金持ちになりたい!」

と書いたアラシにとっては、
初めて遭遇した。

 

『お金持ち』に。

 

中学1年生で、
隣の席になったのは

『I』君。

 

制服の袖から
金ピカの時計がチラつく。

 

アラシは見逃さない。

 

(アール、、、

オー、、、

エル、、、

イー、、、

エックス、、、

ロレックス!?

こ、これが! )

 

ア「『I』君、
 その時計カッコイイね!
 いくら位するの?」

 

I「う~ん、、、
 100万くらいだと思う!」

 

ア「・・・
  へ~。。。」

 

・・・

 

大丈夫。

大丈夫だ。

 

なんとか平然と
対応できたはずだ。

 

なんとか無表情で
切り抜けたはずだ。

 

こんなシーンをアラシは、
これから何度も
目の当たりにする事となる。

 

ちなみにこの『I』君は、
名古屋では誰もが知る超有名な
一族経営の御曹司だった。

 

ただ、アラシは、

“その土俵”で
はじめから勝負するつもりはない。

 

家が金持ちではない事は、
コンプレックスだったが、

仕方のない事。

 

それは割り切っていた。

 

それ以外の事で、
彼らに勝てる場所を探した。

 

お金?

ハナから勝負にならない。

 

顔?

これは圧倒的。

しかし活用するする場がない(笑)

 

運動?

どうやらこれは行けそうだ。

 

進学校の大半は
運動があまり得意ではない。

 

その中でもアラシの運動神経は
勝てる土俵だった。

 

そして当時は

スラムダンクのバスケ部。
Jリーグ発足のサッカー部。

この二強時代。

 

アラシは小学校の時、
サッカー部に所属していたので、

中学でもそのまま
サッカー部に入部する事にした。

 

アラシはサッカーに没頭した。

先輩との上下関係を初めて体験し、
1年坊主のボール拾いもし、
グランド整備もし、
朝練もして、

毎日毎日、
サッカー漬けの生活を送った。

 

純粋にサッカーが楽しかった。

一緒にサッカーをする
仲間との時間が楽しかった。

 

小学校の時は、
自分の人格形成ができ始めた頃に、

突然の中学受験。

 

思えば、自分の意思で、
何か1つの事に真剣に取り組む。

というのは、このサッカーが初めてだった。

 

好きな事に没頭する。

なんて幸せな時間なんだ。

 

こうしてアラシは、
サッカー部で頭角を現し、

1年からレギュラー。
3年時にはキャプテンになった。

 

背番号は『7』。

当時、アトランタ五輪の
前園真聖がつけていた背番号。
(今の彼にはあの面影はないがww)

 

ポジションはトップ下。

前園と同じ、
オレンジのキャプテンマークを左腕に巻き、
司令塔として活躍した。

 

ただ、楽しい時間でもあったが、
苦悩の日々も続いた。

 

それは、リーダーとしての役割。

人を束ねる事の難しさ。

人に伝える事の難しさ。

 

その学校のサッカー部は、
名門校のようなコーチや監督はいない。

 

一応、顧問がいたのだが、
その先生は

「学生時代は卓球部のエース」

という肩書のサッカーど素人。

 

そのため、

日々の練習や、
試合の戦術等、

キャプテンが中心に組み立てる。

 

今までは机の上で
頭を使う事がほとんどだったが、

初めてリアルな世界での思考を
体験する事になった。

 

中学生の男子というのは、
ある意味この時期が、一番、活発だ。

 

思春期でもあり、

反抗期でもある。

 

言う事を聞かない、

動かない、

言い訳も多い。

 

強がっているが、

心は繊細で弱々しい。

 

もちろんアラシも同じ。

 

それでも
そういう人達をまとめて、
引っ張っていかなければならない。

 

そこで初めて
『組織』というものを知る。

 

どういうチームが強くなるのか。

 

たとえサッカー部と言っても
人間の集合体による組織だ。

 

サッカーが上手い人間がいたとしても
チームが強いわけではない。

 

サッカーの技術が高くても
信頼関係ができていないと、

その技術さえも
チームとして活かせない事もある。

 

これはサッカーに限らず

全てのスポーツ、
全ての組織にも言えること。

 

このようなチームを、
キャプテンとして体験するのは、
人生において貴重な経験となった。

 

最も学んだのは、『人の動かし方』。

 

どうすれば人は動くのか。
人の心を動かすとはどういうことか。

 

そのために自分は何をすればよいのか。

どのような言葉をかけるのか。

 

中学生のアラシは、
責任感が強かった分、

より一層悩み、

答えが出ずとも行動し、

その経験を体に
染み込ませるようになっていった。

 

本当に貴重な体験。

充実した中学生活。

 

だが、アラシは
これで良かったのだろうか?

 

アラシの中学は、
県下No.1の進学校。

中高一貫教育である。

 

中高一貫6年教育なので、
勝負は6年後の大学受験。

だから高校受験が無い。

 

しかしこれが
一つの6年教育の落とし穴。

 

高校受験があると、
3年で一旦の句切れがある。

 

高校受験のために
がんばろうとなるから。

 

というか
「がんばれ!」と学校から詰められる。

 

ただ、6年間だとその区切りが無い。

 

良く言えば、

6年かけて
学力を磨くことができるのだが、

6年かけて
学力を落とすこともできる。

 

高校受験を挟んでいる方が、
その振れ幅は小さいはず。

 

そこでアラシはというと、、、

 

見事、
6年かけて
学力を落としていったのだった。

 

「いや~、昨日、

全然、勉強できなかった~」

 

テスト前にこう言う奴が
クラスに必ずいただろう。

 

もちろん、
この学校にもたくさんいたのだが、

彼らは、
とてつもなく要領よく勉強していた。

 

アラシからしたら、
彼らの勉強時間は本当に少ないのだが、

効率良い勉強方法で、
高得点をたたき出していた。

 

いつしか、アラシは、
学力ではついていけなくなっていた。

 

後に彼らは、

東大、京大、
国立大医学部へと進学していく。

 

それが彼らの土俵。

アラシには到底勝てない場所だった。

 

こうしてアラシは、
サッカーに打ち込むことにより、

学力でついていけなかった学生生活を
充実して過ごせることができた。

 

好きなことをずっとやっていた。

 

しかし、それも
いつまでも続かなかった。

 

アラシは、
ある決断を迫られるようになる。

 

第2話 完

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純粋に何かに打ち込んだ。
好きな事に没頭した。

誰もが、そんな時代があると思います。

大人になり、いつしかそれらに
フタをするようになります。

しかし、その時に没頭した事。
その時に感じた事。
学んだ事。

実は大人になってからも
自分の武器になっていたり、
思考法の土台になっているでしょう。

そんな自分の武器を
活かすことが出来る。

「勝てる土俵」が必ずあります。

ビジネスを自分で立ち上げる時には、
なおさら「勝てる土俵」を作る事が、
大切になってきます。

⇒ 第3話「人生最大の迷走。両親への恩返しを決意する。」へ続く

2015年8月6日 第2話「数々の猛者との出会い。勝てる土俵を探す」 はコメントを受け付けていません。 自分物語